
別 名:梟山伏(ふくろやまぶし、和泉流)
分 類:鬼山伏狂言 山伏物
登場人物:法印(シテ)、兄、弟
あらすじ
梟にとり憑かれた弟を法印が祈って治そうとするが、弟は体を掻きむしり、「ボッホーイ」と奇声を発するばかりで、いっこうに効果があらわれない。それどころか、祈るほどに梟はその兄にも憑き、果ては法印自身にもとり憑いてしまう。

みどころ
庭のキノコが無限に増えてくる『菌(くさびら)』と並ぶ、ホラー狂言。また、『棒縛』『瓜盗人』と並ぶ、海外公演の定番狂言でもある。
この法印は、山伏の定住者タイプなので、装束も、例えば長距離を移動する山伏の足にはある脚絆(きゃはん)が、法印には見受けられないといった違いがある。しかし、祈りの章句も、また祈れば祈るほど状況は悪化していくという所も、山伏と全く一緒。ただ、初めの登場シーンで、♪「九識の窓の前、十乗の床のほとりに、の法水をたたえ、三密の月を澄ますところに、案内申さんと言うは・・・」と、重々しく謡ったりするところが少し違う。ちなみに、この謡は能『葵上』のワキ横川の小聖が登場するときの章句と同一である。
この狂言を見終わった後、小さい子が梟の鳴き声を真似して家路につくことがすこぶる多い。その子の真似する鳴き声が、「ボッホーイ」なのか、「ホホン」なのか、「ホーホー」なのかで、どの流派・家の狂言を坊やが見たのか、見当がついた貴方は、よっぽどの狂言通である。そういう人は貴重なので、是非ともKGKKの顧問に向かい入れたい。「われは!」と思える人は、こちらまで。

文:湯田拓也
公演情報