
分 類:鬼山伏狂言 山伏物
登場人物:山伏(シテ)、強力、蟹の精
あらすじ
修行を終えた山伏が強力を供に連れ帰郷する途中、江州蟹が沢で、「二眼天に有り、一甲地に着かず、少足八足大足二足、右行左行して遊ぶものの精にてあるとぞよ」と謎かけをする異様なものに出会う。山伏はこれを蟹の精であると知る。強力が「晩のお泊まりのお肴」確保のため金剛杖で打ちかかると、蟹の精はその耳を挟む。山伏が祈ってはなさせようとするが、呪文の効果はなく、山伏自身も耳をはさまれてしまう。
みどころ
とりあえず、蟹を見ていれば楽しめます。手足あわせて4本しかありませんが、
そこはみなさんの想像力で補って下さい。
よく動く蟹ですが、何度も練習するという事を考えると、なかなかのダイエット効果があるようです。
手も常に挙げています。二の腕にたるみのある方にも効果的です。この機会にぜひお試し下さい。
うんちく
「二眼天に有り、一甲地に着かず、少足八足大足二足、右行左行して遊ぶものの精にてあるとぞよ」 と言われて、何のことかわかりますか?文字にすると分かりますが、耳で聞いても難しいですよね。 山伏や陰陽師などといった職業は、正体不明のものを相手にしています。現在でも 正体がつかめていないものを相手にする場合もあれば、よくよく見ると「なーんだ」というような 物も相手にしています。相手の正体をつかむ事こそ、自分が死なないための大切な事です。 こういう訳のわからないもを、訳の分かるようにするのが彼らの一番の仕事なのです。 そして、それを退治します。昔話に「なんすいのうお」という妖怪の話がありましたが、 何だと思いますか?「南水の魚」というように漢字にすれば、南の池にすんでいる魚 ということが分かります。こういうなぞなぞみたいな妖怪が昔は多かったようです。現在では蟹が強力と山伏を投げ飛ばして逃げていきますが、昔はシャギリ留だったそうです。 地方芸能に「蟹舞」というのがあったそうですので、これとの関連が指摘されています。
文:佐渡のきつね
公演情報