分 類:出家座頭狂言 座頭物
登場人物:座頭(シテ)、男
あらすじ
今日は八月十五日。人々が月見を楽しむ中、座頭は虫の音を聞きに 野辺へやってくる。そこへ、月見へ行く途中の男が通りかかり声をかける。 言葉を交わすうち、意気投合し酒宴となる。楽しく飲み交わし舞を舞い、 互いに家路に就くが、途中で男は気が変わり、 座頭を突き飛ばし笑いながら帰っていく。
みどころ
身障者を扱った狂言の中でも異色の作品で、上演頻度が非常に高いです。
人間の持つ二面性を表した作品として賞賛されています。
また、秋の夜長をしっとりと表現する事ができれば、
とても品の良い舞台となり、秋の定番狂言ともいえます。
男のいうとおり、目の見えない座頭と月見とは、面白い発想で、
その発想を裏切らないよい台本です。
しかしながら、やはりそこは狂言。上品な酒宴だけでは終わりません。
最後に座頭を突き飛ばし笑いながら帰っていくという、卑劣な場面が
残されています。世間では男のこの二面性の表現に関心があるようですが、
留の謡は「秋の最中に虫の音を聞かんとて、盲目の由なき事に立ち迷い、
小夜ふけわたるこの野辺に、独り我のみ泣きにけり」となっています。
要は、「目が見えないくせに、偉そうにしてるからひどい目にあうのだ」
ということです。
座頭を見下ろす笑いが最後の最後に残されているのですが、
残念ながらそのことに気がつく人は皆無のようです。
文:佐渡のきつね
公演情報