分 類:極重習
登場人物:狐(シテ)、猟師
あらすじ
一人の猟師に一族をみな殺されてしまった古狐が、猟師の伯父の伯蔵主に化けて猟師に 狐を釣るのをやめるよう説教する。猟師は伯父のいう事なのでしぶしぶ罠をすてる。 伯蔵主狐はそれを見て安心して帰るが、途中で捨てられた罠を見つける。 罠においしそうな鼠がついていたが、化けた姿では罠に掛ってしまいやすいので、 元の姿に戻って再び現れる。そしてついつい罠の鼠に手を出し、 そこを猟師につかまえられるが、罠を外して逃げていく。
みどころ
狂言方最高の秘曲です。全てが別格。約束事も多く、
観客席も異様な雰囲気に包まれます。
狂言というよりも儀式に近いです。
この狂言は狂言方として自立するための最終試験と言われますが、
近年ではこれを披いて(演じて)初めて狂言方としての
勉強が始まるという感じです。
いずれにしても狂言方にとっての大きな節目を飾る狂言です。
そのため、一生のうちに二度しか上演しないといわれ、
一度は披き、もう一度は子供に見せるためということだそうです。
一挙一動どころか一呼吸すら厳しい制約があり、
見ていて面白い事はありません。
前場は伯蔵主に化けるのですが、後場の衣装の上に前場の衣装を
つけるので、重く、暑く、窮屈です。
伯蔵主の語る玉藻前の話は、御伽草紙にも見られる有名な話で、
能「殺生石」の間でも語られます。
重苦しい前場とは対照的に、後場は狐のきぐるみで登場です。
狐らしい俊敏さが要求されますが、どのような狐になるかは
演者の力量によって大いに変わってきます。
かわいい場合もあれば、ずるがしこい場合もあります。
この狂言が上演される時は見る側も身構えてしまいますが、
他の狂言同様、何も考えずに見ないと、
肩が凝ってしまいます。台本自体は面白いので、
約束事を取り払った演出で、上演してもらいたいです。
文:佐渡のきつね
公演情報