別表記:魚説法(うおぜっぽう 和泉流)
分 類:出家座頭狂言 出家物
登場人物:出家(シテ)、檀那
あらすじ
漁師から出家に転向した男が都見物をしようとやってくる。
そこへ自分の家にお堂を建てた檀那が、そのお堂に住んでもらう
出家を探しに来る。たまたま声をかけられたのがその出家で、
出家は喜んで檀那に付いていく。
家に着くと檀那は出家に説法を頼む。出家は最近出家したところなので、
説法などしたことはないのだが、漁師だったことから、
魚の名前を並べて説法らしく言うが、檀那に追い出される。
みどころ
訳の分からない説法です。魚の名前がいっぱいでてきます。 みなさんにはどれだけわかるでしょうか。聞きなれない魚も 出てきます。魚だけでなく海の物がいっぱいでてきます。 そのたびに笑いが起きるというものでもないようです。 今の人があまりに魚の名前をしらないのと、 偽出家に騙されているのとで、分かり難いのです。
いでいで鰆(さわら)、説法を述べんと、
いでいで、さあらば、説法を述べんと、
イカにも鱸(ススキ)にすすけたる、黒鯛(くろだい)の衣に
如何にも煤(すすき)にすすけたる、黒色(くろいろ)の衣に
まず説法をスルメなり
まず説法をするものなり
実は、魚の名前を元にもどすと、りっぱな説法になっているのです。
それなら初めから普通に説法をしたらいいのに、と思うのは
面白くないので、そんなことは考えないで下さい。
分かり難いといいましたが、わりと分かってもらいやすいのが、
南無阿弥陀(なむあみだ)をもじった鱧阿弥陀(はもあみだ)です。
南無阿弥陀はたいていの人が知っていますから、それをもじっていると
気づいてくれるようです。こういう笑いが魚説経の本来の
笑いなのですが、今ではかなり難しい笑いになってしまっています。
もともとは、狂言とは別の芸として、魚を織り込んだ説法があった
のでしょうが、それを取り込んで
一つの狂言をつくったものと考えられています。
文:佐渡のきつね
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